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2024

 
年が明けて半月ほど経ちました。
いつ何時でも、何処でもさまざまなことが起こりうることをあらためて思い知るような今年の始まりでした。
遅くなりましたが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。


*      *      *      

近所の公園の木々を自分の標準木としているので、他では少し違うかもしれない。

5年前からはとうとう落葉しきらずに大晦日になって、年々葉の残りかたが増えてきて、今年は銀杏の樹が黄葉した葉を多くつけたまま晩秋の趣きで年を越した。
北風がすっかり葉を吹き飛ばして枝だけになって、きりっと新しい年を迎えたいような気がしている。

水仙


おかげさまでこの一年も無事に過ごすことができました。
9年前に開業してから4度目の移転、ようやく落ち着き、事務所は店らしくなりました。
参加した催事での他は花を活けることも一年間怠っていましたが、少しづつ、慣らしていこうと思います。


12日  某日 晴れ

区が管理する近所の躑躅の植え込みの隙間に生えていた白い水仙がみな折れていた。
何か大きなものが乗ったか倒れたようなありさまだった。
この、あまり見かけない水仙は、毎年この時期通りかかるたびに気に留めていた。
これなら好都合と思い、店で使うために一本選んで切ってくる。
この水仙を検索すると、ペーパーホワイト、和名はシロバナスイセンと呼ばれることがわかった。
佇まいが清楚でミッションスクールの生徒を思わせる。
私は水仙を活けるのにはとても技術がいるような気がしているので今まで買ったり摘んだりしたことがない。
花器に経筒を選んだ。
案の定、葉が思うような向きにならず経筒の中心に据えたくても据えられず、30分以上こねくりまわして終いには諦めて入れたものをSNSに投稿する。
生け方ではなく、純白の水仙を見てもらいたかった。


八十八所

四国へ行くことになった。
私は高所での密閉感が苦手で飛行機に乗れない。
十数年前に運行廃止になった青い寝台特急列車の思い出が新しい体験に上塗りされないよう、乗るのを差し控えていた今の寝台車をとうとう利用することにする。
出発日間際だったが切符は取れた。
こうなった以上は、やはり入線時刻前にホームの先端に待機して写真を取らなくてはならない。
音、姿、内装、、何かにつけて比較して、存在感のあった国鉄車両を偲んだ。

予定のない一日は、平安仏のある寺を2〜3箇所巡れたらと考えたが、四国行きは数日前に決まったので下調べが思うようにできなかった。
そもそも限られた時間内で、本数の少ない鉄道や路線バスの時刻をやりくりして徒歩で辿り着けるところが少ない。
帰りのことも考えなくてはいけない。
ここならどうにか行けそうだ、と、いくつか拝観を問い合わせてみても、秘仏であることを頑なに守っているところばかりだったが、ひとつ、予約を受け付けてくれた札所になっている寺を訪ねる。

午後2時ごろ、小さな箱のような待合室があるだけの無人駅で下車したのは私と地元の高校生の二人だけだった。
刈り取られて乾ききった田圃の間の道路を誰とも会うことなく30分ほど歩いて目的の寺の山門が見えてくると、出入りしている人が思いのほか多かった。
皆、本格的な遍路姿ではなく軽装に白い輪袈裟かけて、なかには菅笠を被った人もいる。
団体行動ではなく、各々で巡っているようだ。
小さな塔頭のそれぞれの前でも手を合わせて真言を小声で唱えたりもしていた。

私は本堂をお参りして収蔵庫を開錠してもらい、木彫十一面観音像と対面する。
平安時代初期の威厳に満ちた一木作りの像で、個性的な面貌に地方色は感じるが素朴ではない、奈良や京都の古寺の仏像にも引けをとらない丁寧な作行きに感激した。
脇侍の日光、月光菩薩は本尊より少し時代は遅れているが、やはり量感があって素晴らしく、この一寺で阿波の空気をいっぱいに吸い込んだような思いがした。

収蔵庫を出ると裏手に駐車場があり、輪袈裟をかけた人たちが各々下車したり乗車したりしているのが見えた。
自分の生活には車がないのでそういう手段の巡礼は思いつかなかった。
私も鉄路を利用しているので昔の巡礼者には思いもよらない手段だろう。

2023東美アートフェア

 

草友舎は2回目の出店となる今年の東美アートフェアも、お陰さまで無事に終えることができました。

来年は東美アートフェアの開催はありませんが再来年、2025年のアートフェア出店の抽選にも申し込もうと思っています。




7月某日 晴れ

出店する催事に並べるものをおおかた選び、それに合わせて考えたブースの模型を作ってみた。
模型作りは趣味3分の2、催事に対する意気込み3分の1の割合によるものだ。





10月某日〜某日  晴れどきどき曇り

催事が始まって、無事に終えられた。
今回の自分のブースでは、移した事務所に取り入れたばかりのリモコンで調光と調色ができるスポットライトを持ち込んで使った。
3日間いろんな人に調光と調色を実演してみせた。


10月某日 晴れ

この夏の暑さに耐え抜いたご褒美のような澄みきって心地のよい天気が続いている。
事務所を移して初めて隣の神社の境内を隈なく散策する。
私は古びて素晴らしい休憩所には何度か入ったことがあったが、数年前に建て替えられたことは神社のなかをたまに突っ切っていたので知っていた。



以前の素晴らしい休憩所

在庫

まとまった数の郵便物用の切手の購入と発送は、東京中央郵便局を利用するのが30年来の慣わしだ。
今回も切手を選びに出かけたのに、これで出したいという記念切手がなかったのは初めてのことだった。
私はなぜか、なるべく古美術に関係のない切手から選ぶことを課題にしている。
今回は古美術に関係した切手を選ぶことになるのかと諦めたが、やはり無関係なものから選んだ。

昔はよかった。
東京中央郵便局の敷地に超高層ビルの建設工事を始める前までは、地下の殺風景な一角に、在庫がある何年も前からの記念切手が数十種類も販売されてた。
数年の間に種類は減ってきても、選ぶ余地はありすぎるほどだった。
その頃のことだからもちろん手でちぎる切手だ。


ここまで昔は知らない

*     *     *


催事と事務所移転のお知らせをインフォメーション欄にあげました

移転

事務所を飯田橋から九段北に移すことになりました。
少しの内装工事を済ませましたら、8月中は雑多なことを片付けて、、

9月上旬からは、事務所にいる時にはお客さまにお越しいただけるようになっている、、

そんな予定です。


6月 某日 晴れ

これまでの住まいも店も昭和30〜40年代主義を貫いていたのにとうとう平成築の建物に入ることになった。
建物前に植え込みがあり、初めて室内を見に来た時には、そこに植えられている1本のゆったりとした枝ぶりのバラの木に、薄桃色の一重のバラが数輪咲いていたのが気に入った。
仕入れたことはないが、李朝中期の白磁の立壺に生けてみたいバラだと思った。


7月 某日 晴れ

忙しくて数週間あいたが、間仕切り壁などの計画をしに移転先を訪れる。
バラの花は終わっていて、葉は虫に食われて枝だけになっていた。
蝉の声が、向かいの神社の古い、おそらく戦後間もないころに巡らしたコンクリート製の塀越しの木々から溢れるように聞こえてくる。
夕方には蜩の声も聞けるのだろうか。
この建物は平成生まれでも、少し昭和を感じられる。
平成5年築とのことだが、もう30年経っている。


7月 某日 晴れ

建物の大規模修繕工事も始まり、植え込みのバラの他、生えていた南天なども根本から掘り起こされてなくなっていた。
3ヶ月後に工事が完了して、もしも植栽に注文をしてよいなら、百日紅を希望してみたい。



七月

青花の骨董祭を終えてから月も変わってしまいました。
お陰さまで今回も無事に、また、皆さまと楽しい時間を過ごさせていただき、大変遅ればせながらではありますが、お礼申し上げます。
どうもありがとうございました。
次の参加催事は、今年も抽選に当たりましたので、東京美術倶楽部主催の東美アートフェアです。
10月の開催ですが、先月から美術倶楽部への提出物など、準備は始まっています。
近くなりましたらあらためてご案内いたします。





催事


催事としてすっかりお馴染みになりました、「青花の会|骨董祭」に今年も参加いたします。
久しぶりに皆さまとお会いできましたら幸いです。

開催日
6月9日(金)17-20時 *内覧会(青花会員及び御招待者)・販売有
6月10日(土)11-19時
6月11日(日)11-17時

会場
√K Contemporary|東京都新宿区南町6

入場料 1000円
*2日間(6月10-11日)共通/小冊子付/再入場可
*青花会員は無料です
*入場券は10日午前11時より会場受付で販売します

更なる詳細は、こちらをご覧ください。
https://www.kogei-seika.jp/seikafes/2023.html

どうぞよろしくお願いいたします。


5月 某日  晴れ

品物の写真を撮るには自然光や壁の具合が今の事務所よりも自宅のほうがまだよいようなので、骨董祭恒例の、出店者によっては提出期限までに設定することが苦しみの、「おすすめの品物」を持ち帰り、写真を撮る。
骨董祭恒例の、出店者によっては苦しみのアンケートにも大真面目に取り組む。




切手

 
2月 某日  晴れ

イチゴの花と実を写生風に描いた切手で知人から封書が届いた。
何のシリーズの切手か検索すると、文政十一年に完成した日本最初の本格的彩色植物図鑑、『本草図譜』の明治初期の写本から十種の植物を採用したものだった。
イチゴの他は、

ビワ
ダイダイ
アンズ
キンカン
ワサビ
ニンジン
エンドウ
フキ
ダイコン
だった。

画像を見ると、地味な色合いのものもそれぞれにきれいだが、私はやはり、可憐さではイチゴが一番だと思った。


3月 某日  晴れ

友人から届いた封書にまたイチゴの切手が貼ってあった。
青山の花屋では毎年4月ごろだったか、鉢植えのイチゴが売られていて、実を食べるためではなく花と葉を須恵器やガラス瓶に活けるために買っていたことを思い出した。
今の事務所では張り合いがないので花を活ける生活から遠ざかっている。


3月 某日  雨

知人の個展の案内にまたイチゴの切手が貼られていた。
このシリーズの切手では、他の植物で届いた郵便物はない。
これはもう、差し出し人にとって私はイチゴのイメージなのに違いない。



資源回収日

 
2月 某日 晴れ

資源回収日の朝、部屋に溜めていた段ボールを玄関の外に担ぎ出した折に奥床しく漂ったのは、昨日焚いた真言密教寺院、東寺で販売されているお香の香りだった。
京都の老舗薫香製造店によるもので、南都寺院の、いかにも寺、と言う感じの香りとは雰囲気が違い、どことなく甘やかだ。
焚いている時に香るのと、焚きしめられたものからふとした時に香るのとでは、なるほど、趣きがちがい、平安貴族の暮らしを思った。


季節のマッチも愉しむ

東寺 風信香
元興寺 仏足香
東大寺二月堂 補陀洛香